サルモネラ(SE)ワクチンとは
広島県庄原市で採卵養鶏場を営んでいます、有限会社グリーンファームです。
先日雛鶏へのワクチン接種を行いました!みんなで協力すれば、数万羽の鶏へのワクチンもあっという間に終わります。
卵による食中毒で最も気を付けなければならないのがサルモネラ食中毒です。サルモネラ食中毒は1999年をピークに近年は減少傾向にあり、現在は年間数件の発生にとどまっています(卵以外のものが原因のものも含む)。サルモネラ菌属で最も病原性が高いのがSalmonella Enteritidis(サルモネラ・エンテリティディス、SE)で、抵抗力の弱い高齢者や乳幼児は数個の細菌でも感染してしまうほど、強い感染力を持つ細菌です。
卵のサルモネラ菌による食中毒がほぼなくなってきているのは、あらゆるリスクチェックを行っていることと、ワクチン接種による感染予防のおかげだと言えます。
農林水産省からもサルモネラ衛生対策に関する指針がまとめられていて、鶏舎の消毒や立入の制限など、衛生面にとても気を遣っています。農場では定期的に細菌検査を行っています。鶏の卵や糞はもちろん農場内の壁・床などにサルモネラ菌がいないかどうかを確認しています。
サルモネラ菌感染を予防するために、ワクチンを接種して終わりではなく、接種後の抗体価の検査を定期的に行って監視しています。ワクチンを何万羽もの鶏に打つとなると費用も手間もかかりますが、安心・安全な卵を提供するためには欠かせないと考えています。生食するのが当たり前の日本ではなおのこと、この取り組みは重要です。
ちなみにワクチン接種は卵を産まない、雛の時期に接種します。雛の時期に病原菌に対しての免疫を付けておきます。人間の子どもも、0歳の時はびっくりするほどたくさん予防接種を受けますよね!鶏も一緒です。
このような話をすると、病気の予防のために抗生物質漬けの鶏がいると思われている方もいるようですが、そのような鶏は肉としても市場に出ることはありませんし、そんな鶏が産む卵は売ることができません。
もう少し詳しいことは、「卵と抗生物質の話」を見てみてください。