たまご新聞「たまごの置き方~とがったほうが下?上?~」
広島県庄原市で採卵養鶏場を営んでいます、有限会社グリーンファームです。
スーパーで買ってきた卵を冷蔵庫に入れるとき、どのように置いていますか?
卵パックをそのまま冷蔵庫に入れる場合、ラベルを上にして置くと卵のとがった方は下になるはずです。ではとがった方を下にするのが正解なのでしょうか?…これは輸送する場合に好ましいとされる置き方です。
静置して保存する場合は、置き方はどちらを上にしても鮮度は変わらないです!
これは静置保管する場合です。
振動や衝撃が起こりうる輸送中は、とがった方を下にする方が良いとされています。その理由を以下に説明しましょう。
まず、卵のとがった方を鋭端(えいたん)、反対側を鈍端(どんたん)と言います。卵の殻は厚みが均一ではなく、鋭端側が厚く、鈍端側が薄くなっています。そのためより丈夫な鋭端を下にする方が振動による割れを防ぐために良いとされています。卵パックやトレーは、鋭端を下の卵にフィットするような形になっています。

41~42℃の鶏の体内から生まれた卵は外気に触れると、内部が収縮します。すると、卵の気孔(穴)を通って空気が入り、内部にたまります。これを気室と言います。鈍端側は気孔が多いため、こちら側から空気が入ります。ゆで卵を作ったとき鈍端にへこみができるのは、この気室があるからです。時間の経過して卵内部の水分が蒸発すると、気室は大きくなります。

この気室がある鈍端を下にした場合、気室が鋭端方向へ移動(上昇)し、卵内部が動く可能性があるため、鋭端を下にして置く方が良いともいわれます。さらには、長期保存により卵黄が浮き上がって殻にくっついてしまうのを防ぐ効果もあるそうです。しかしながら長期保存した場合のこと。また、輸送中の振動も黄身が浮く原因となるため、その点からも輸送中は鋭端を下にするのが望ましいと言えます。
以上、置き方の違いによる卵の変化についても書きましたが、通常家庭で使う場合には、細かい置き方なんて気にしないで良いということです!
気軽にたまごライフを楽しみましょう!