たまご新聞『コリンの重要性-2~妊娠期に特に必要~』

たまご新聞『コリンの重要性-2~妊娠期に特に必要~』

広島県庄原市で採卵養鶏場を営んでいます、有限会社グリーンファームです。

前回は、コリンとその役割についてとり上げました↓今回も栄養素コリンの重要性について書きたいと思います。

以前、卵を食べると妊娠しやすい、とちらっと聞いたことがありました。純粋に、栄養豊富な食べ物だからかな~と思っていましたし、誰もが言っている情報ではなかったのであまり気にしてはいませんでした。でもコリンに注目すると、あながち間違った情報ではなかったのかも?と思います。

細胞膜の素となるコリンですから、胎児が大きくなっていく妊娠期にはとても大切そうだということは想像できますね。海外では研究が盛んにおこなわれていて、妊婦のコリン摂取量の不足が問題視されています(Roeren M et al., 2022/ Probst Y et al., 2022)。

アメリカのThe Food & Nutrition Board (FNB) が定めている1日のコリン摂取量は、女性は425 mgですが、妊婦は450 mgとしています(大きな卵約3個分ですね。NIHの記事参照)。それだけ必要な栄養素ということです(再度言いますが、日本では摂取目安量はまだ決められていません)。

コリンは細胞膜の主成分であるだけではなく、シグナル伝達、DNAのメチル化、神経の髄鞘形成など、数多くの生理的プロセスにおいて重要な役割を果たしています(Kansakar U et al., 2023)。

妊娠に特に必要な栄養素、と聞いて思い浮かぶのが葉酸だと思います。妊娠を考えているときから摂取を推奨されていることは、現在では誰もが知っているくらい有名な栄養素になりました。葉酸も神経の発達やDNAのメチル化に関わっています。DNAが正しく合成されなければ、健全な細胞ができません。胎児が無事に産まれてくるためには、健康な卵子ができて、正常に細胞分裂し、成長・発達していくことが大切なので、そういった点でも葉酸は妊娠を考える時から必要だと思います。

…ということは、コリンも葉酸と同じくらい重要な栄養素なのでは?

卵はコリンをたくさん含んでいますし、ありがたいことに葉酸も入っています!最近は葉酸の含有量が多いという卵もお店で見かけますね。その他にも食物繊維やビタミンC以外の栄養がバランスよく含まれているという卵。上手に食事の中に取り入れてください☆