たまご新聞『コリンの重要性-1~今注目のコリンとは!?~』

たまご新聞『コリンの重要性-1~今注目のコリンとは!?~』

広島県庄原市で採卵養鶏場を営んでいます、有限会社グリーンファームです。

卵を食べると認知症予防になるという話を聞いたことがありますか?その効果に重要なのが卵黄に豊富に含まれるレシチンです。

レシチンはリン脂質の総称として使われていますが、主にフォスファチジルコリンを指します。フォスファチジルコリンは細胞膜の重要な構成要素、つまりヒトの全身にあるとても身近な物質です。コリンはそのフォスファチジルコリンの先についている分子です。レシチンは疎水性(水をはじく)と水溶性(水になじむ)構造の両方持っているため、乳化作用があることでも知られています。

フォスファチジルコリンは細胞膜の流動性を高め、代謝を活性化させます。つまり、体が栄養を取り込みやすく、老廃物を外に出しやすくなります。悪いものをため込まないのは、病気の予防にはとても重要ですね!フォスファチジルコリンは動脈硬化や肝機能障害の予防にも重要と考えられています。

さらに、コリンは神経伝達物質のアセチルコリンの原料になります。神経伝達物質が豊富にあると脳の働きが活発になるため、認知症予防には卵が効果的だと考えられるようになりました。

日本ではまだあまりなじみのない栄養素ですが、1998年にアメリカのThe Food & Nutrition Board (FNB) はコリンの栄養としての摂取量を定めており、1日の摂取目安量は男性が550 mg、女性は425 mgとしました。卵は大きいサイズ(2Lサイズくらいでしょうか)のもの1個で147 mg含まれています。一番含有量の多い牛レバーはなかなか食卓に上ることがないと思うので、卵は一番身近で手軽なコリン補給源と言えますね!(日本では摂取目安量はまだ決められていません。)

https://ods.od.nih.gov/factsheets/Choline-HealthProfessional/

コリンの重要性について、次回に続きます!