たまご新聞「卵の保存方法-2~常温保存ってどうなの?~」

たまご新聞「卵の保存方法-2~常温保存ってどうなの?~」

広島県庄原市で採卵養鶏場を営んでいます、有限会社グリーンファームです。

レストランやお店で、冷蔵庫に入っていない卵を見かけることがありますよね。また、ご自宅で冷蔵庫に入りきらなくて部屋に放置している、なんてこともあるのではないでしょうか。

卵の賞味期限は、「サルモネラ菌が大量に増えない期間」としています。なので極端に言えば、長期間常温に放置していてもサルモネラ菌が少ない、あるいは存在していなければ生食しても問題ありません。

卵の賞味期限についてはこちら→

でも漫画の主人公みたいにサルモネラ菌を見ることはできないので、しばらく暖かい部屋で保管している場合は早めに、かつ十分に加熱して食べることをおすすめします!

部屋の温度については、四季がある日本では夏と冬でその温度は大きく違いますね。

当社の直近のデータでは、約半月25℃で保存した後、2週間弱10℃で保存した場合でも、細菌は検出されなかったというデータが出ています。採卵した農場や環境によって、この結果は変わってくるため、一概に「部屋に放置した場合、何日間なら生食大丈夫」とは言えないのです。

ただ、25℃以上の暖かい場所に保管しておくと、見た目の劣化は急激に進みます。

原因はプリッとした見た目を演出している濃厚卵白が水様化(粘度が低く、水っぽくなる)することによるもので、卵内部の炭酸ガス(二酸化炭素)が出ていき、pHが上昇、濃厚卵白のたんぱく質であるオボムシンの構造が変わってしまうことで起こります。見た目がプリッとしてないと、生で食べる気分も薄れちゃうかも。

この炭酸ガス、新鮮な卵で作ったゆで卵は殻が剥きにくかったり、高濃度卵白中に残っている場合は白濁して見える要因でもあります(新鮮な証なので、良いことです!)。

以上、はっきりと答えられてないかもしれませんが、常温での放置保存は、生産する側としてはおすすめはしません。気づいたらなるべく早く冷蔵庫に入れて、早めに食べてしまいましょう。

そして、上記はヒビなど入っていないことが大前提です!!

ヒビ割れている卵を放置したり、卵を割って置いておくことはしないように、お願いします!

また、冷蔵庫から出した卵など、急激な温度変化などで結露してしまった卵はカビやすいので早めに食べること。さらに進んで殻にカビが生えてしているのを発見したら、ヒビなど入っていなくても気孔を通して中に侵入しているため、残念ながら食べられません…